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病院で築かれる家族愛

火曜日, 9月 23rd, 2014

看護師が患者の看護をしていくうちに、次第にその患者をいとおしいという気持ちが大きくなり、あたかも無意識のうちに家族のように接していることがあると思うのです。看護師と患者は、守る側と守られる側という両極端な関係性でありながら、看護師がこの人を救いたいという気持ちと、患者がこの人にだったら私の全てを託せるという気持ちがあることで引き合っていき、その結果、互いの間に家族のような絆が芽生えていくことが考えられます。
とある行きつけの病院でアットホームな接し方に気を配っていることから、いかにして患者に心を開いてもらうかに重点を置いているかを感じたことがあります。病院側も集団生活であることから、おのずとひとつ屋根の下で生活をしていく以上はみんなが仲良くなることに越したことがないのです。集団生活をするということは、入院で孤独になりがちな心を緩和させていく作用もあります。同じ病室に居る患者同士が心を通わせていき、手術に対しての不安などを分かち合おうとする気持ちは自然と芽生えてくるものです。言い換えれば、病院とは家族愛を疑似体験できる場所なのであり、入院することで初めて関わることになる人たちを、自分の弱りきった心に再び光を灯してくれる大切な存在でもあるのです。

 家族愛とは、必ずしも血のつながりでしか生まれることがないというのではなく、危機的な状態となっている患者を看取る際にも生まれてくる感情なのではないかと思います。その愛が時として血のつながりに負けないくらいの堅い絆を生成していく可能性さえ秘めているように感じています。そして、絆という強固な縁によって愛を持つことの素晴らしさを肌身に感じるようになるのです。看護師の中には、患者を家族のように思っている方は少なくないかと思います。病院とは、人と人が信頼を深める絶好の場所ではないかと思うのです。そんな環境で働く看護師の方々は、日々貴重な人間模様を観察することができる、充実した毎日を過ごしているのでしょう。